小野啓写真集 暗闇から手をのばせ

推薦コメント集COMMENTS

  • 一時は地下最強とまで呼ばれたグループが、水面下で崩壊に向かって突き進んでいた時期のドキュメント。
    この写真集を見ていて、「黒い服と黒い羽根とこのグループ名って元ネタは『ベルリン天使の詩』なのかも!」と、いまさらながら気がつきました。

    吉田豪(プロインタビュアー&プロ書評家)

  • この写真集は「少女」という短い時間を切り取った、ひとつの芸術作品です。
    すべての写真から刹那的な何かを感じました。
    それは普遍的であり、だれしもが持つアンダーグラウンドな部分をオーバーグラウンドするような光景でした。
    あと、とにかく可愛い。

    後藤まりこ(ミュージシャン)

  • 裏舞台の廊下や階段でぶっ倒れている制服姿の女子の写真がとても印象的だ。この世界で女子達はいちばんぶざまで、あけすけで、カッコいい。
    自分をさらけ出した女子達は手の届かない、ある種神々しい存在感を放っている。
    外国の人たちがいちばん恐れながらも魅惑される、隠された日本の姿。
    僕は自分の知らない日本の歴史をかいま見た。

    若木信吾(写真家)

  • ページからすごい熱量があふれかえっていて思わずたじろぎました。
    地下アイドルと呼ばれる彼女たちと、彼女たちをとりまく人々の存在は自分には完全な別世界、まったく接点のないものだったはずですが、
    こうして温度をもった姿を見てしまうことで接点ができてしまったような怖さを感じる、迫力のある写真集でした。

    大嶺洋子(編集者)

  • 艶めかしい、ではなく、生めかしい。萌えるヒマなんぞ一切与えてくれない。甘く見てくれのいいスイーツというより、シュガーレスな濃厚生クリーム。年端もいかない少女たちが内臓を晒しているかのような、見てはいけないものを見せられた気分になる写真集だ。ライブ後のバックステージを写したショットは、文字通り体液まみれの死屍累々。一体この娘たちは、そんなにまでして世界の何と戦ってるのか? というか、小野啓はどうやってこんな戦場写真みたいな代物を撮ったのか? 癖になる胃もたれと果てしない疑問が交互に襲う、凄みの一冊である。

    稲田豊史(編集者、ライター)

  • 地下アイドルの歌声に応えるように高く挙げられた無数の手は、ステージ上のアイドルに向けられているのではなく、自分達の妄想に向けて挙げられている。実態のない妄想を掴もうとする彼らの手。掴むことのできない妄想を追い続ける手が墓標のようなリアリティーを感じさせ、地下アイドルのコンサート空間は、妄想と現実の肉体が過剰にせめぎ合う場所に変容する。妄想を掴もうとするその手は、妄想の中に閉じ込められ、何も掴むことができない。掴むことができずに突き上げられる手は、妄想に向かっていつまでも突き上げられる。

    金村修(写真家)

  • これだけの量があるのに、どれも外せない写真ばかりでその密度に驚きました。
    『青い光』『NEW TEXT』の作業のときから十代の闇と光を見据えた作業をしていると思っていましたが、さらに深い根の方に向かって感受性の触手が伸び、前二作では想像するしかなかった不可視のシーンが爆発的な量で可視化され、撮っても撮っても尽きないという至福の中で作業をしている様がありありと伝わってきます。
    その意識変容状態が奇跡的なカットを生み出していると感じました。
    うらやましい映像的経験ですね。

    阿部淳(写真家)

  • ひょんなことからカイちゃんと「えんがわ」というユニットを組んでいる。カイちゃんは楽屋ではおっとり系なのにステージでは何かが乗り移ったかのように豹変し、何をしでかすかわからない。えんがわとベルハーでも違う人格でこの人の魅力(魔力?)にハマッタ人は抜け出すのが困難!

    石川浩司(ミュージシャン)

  • ナニかを掴みに行く情熱。そしてナニかを掴んだときの歓喜。
    それは当人にしかわかりえないモノだけど、小野さんの写真はそれを見る者の魂に響かせてくれる。
    そして返す波で問いかける。オマエは生きているか、と。

    村上しいこ(作家)

  • 『暗闇から手をのばせ』は小野さんの 届かないから追いたくなる、“若さ”というひと時への探求の意識が、『NEWTEXT』で保っていた被写体との距離感を取っ払い現場に通いつめる中で、さらに加速してできた作品のように感じました。
    写し出されたステージ上での彼女たちの姿は本当に神々しく、対して 控え室での人間じゃないくらいに果てた姿。でも、私服に着替えると あどけない普通の若さがそこにあって。 小野さんの追い続ける 思春期の一瞬の生々しさがめちゃめちゃにここにあって、心が揺さぶられ続けました。

    吉田圭佑 (KEISUKEYOSHIDAデザイナー)

  • ハッとするのではなく、もっと強くぎょっとする瞬間が何度も現れる。
    ベルハーを知らない人でもきっとそう。
    読後感も本の厚みも鈍器のような512ページ、でも視線に過剰さはない。

    西島大介(漫画家・DJまほうつかい)

  • 儚く消えてしまうもの。それゆえに見過ごされてしまうもの。
    今ここにありながら次の瞬間には過去のものとなり、同時にかすかな未来を予感させるもの。
    小野啓は、そのような存在が放つ硬質な輝きをずっと見つめてきた写真家だと思う。
    この本に、その核心を見た気がする。

    竹内万里子(写真評論家)

  • ルイードとか鹿鳴館とか、街から切り離された地下の奥深くで体験したあの狂騒は、彼女たちだけでなく、高校時代に“そういうもの”が味わえなかった僕にとっても青春だった。小野さんの撮る写真は生臭くて、だからこそ神聖で、すべてが愛おしい。それって青春の本質なのかもと思った。

    栗田歴(双葉社 EX大衆編集部)

  • ベルハーちゃんとは昔からの仲なのですが、自分の中でベルハーちゃんは何よりもライブが最強だって思ってました。でもこの写真集みたら鮮明に、ダイレクトに、人間のすごさとか弱さとかそういうものがガツガツぶつかってきて見入ってしまいました。ベルハーちゃんにちょっとでも興味があるなら絶対に見ておいた方がいいです。すごく良かったです。

    しふぉん(ゆるめるモ

  • ベルハーちゃんは私がモに加入する以前より仲良くしてくれてるグループ!今もお互いに人数が減ったり違う形になっていっても親戚みたいなそんな気持ちでいます。仲良しで対バンしまくってたけど、モとベルハーは全然違くて面白い。そして最高にかっこいいグループだと思う。それぞれの時代で築くライブ、今を、生々しく伝えてくれる写真たちでした。

    ようなぴ(ゆるめるモ

  • ベルハーちゃんの良さがぎっしり詰まっていて、ひしひしと感情が伝わってくる感じがして見てて楽しかったです!

    けちょん(ゆるめるモ

  • ベルハーさんの後に立つステージにはいつも黒い羽根がステージに舞っていました。楽屋に響くベルハーさんの歌声、音楽かっこよかったです。時代というものはどんどん進化していくものではあるが、そうであるからこそ同じ時代にゆるめるモとベルハー全く別の形で交わる音楽を体感できたことを今も嬉しく思ってます。そんな瞬間が詰まった写真一枚一枚がとても素敵でした。

    あの(ゆるめるモ

  • BELLRING少女ハートというグループは、個人とか、楽曲とかを超越した怪物のような存在だとあらためて思いました。明らかに口に入れられなさそうな色と形なのに、一度味わうとやめられない味を味わえる、小野さんが撮られたこの写真集は本当にすごいと思います。痛いし、愉快だし、美しいし、気持ちいい。「グエムル-漢江の怪物-」という怪物映画を撮ったポン・ジュノ監督に、この写真集をベースに「ベルハー- 東京の怪物-」という映画を撮って欲しいと思いました。ヲタちゃんさんはもちろんですが、曲を聴いたことすらない人も、この感触と味を体感して、BELLRING少女ハートが確かに作り上げた、濃密で刺激的な歴史を知っていただきたいです。ごちそうさまでした。

    田家大知(ゆるめるモプロデューサー)

  • アイドル現場はみんなそうであること、と
    ベルハーじゃなければそうじゃなかったこと、の両方が記録されています。

    どんなアイドルも、同じ会場、並べられた化粧道具やケータリングまでほぼ同じような楽屋、
    エロのぎりぎりまで接近しながら、決してさらけ出さない、というルールは共通。

    でも、ステージでのメンバーの姿、いでたち、パフォーマンス、
    客席の様相は、ベルハーのときにしか見られないものです。
    特に客席は、アイドルによって全く別の様相を見せる、圧倒的な作品です。

    そして、同じものと、違うものを踏み越えた先にある、表情は、
    メンバーも、観客も、スタッフでさえも、
    唯一無二の、なにひとつ被らないものが、この写真集には、焼き付いています。

    吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)

  • 地下アイドルという存在を耳にしたが、まったく興味がなかった。
    この写真集の熱気にほだされて遠く松明が灯るような暗闇の世界に一歩分け入る。
    そこで発見したのは隣の家の女の子の溌剌とした息吹だった。
    女はみんな女優という天才写真家の言葉を思い出した。

    新井敏記(編集者)

  • 小野啓さんの写真には
    だれもが持つだれでもない人々の不安と確信できない強さと希望が
    写っています。
    それはカメラを向けられたときに心の奥底で静かにざわくものの正体だったのかも。

    world's end girlfriend(ミュージシャン)